急性期病棟で頻出する薬の基礎解説(国家試験にも出るかも!?)

実習備忘録

急性期病棟では、短期間での正確な薬剤選定が求められます。妊婦に適した降圧剤や、PONV予防薬、急性大動脈解離に対する対策、人工呼吸器の離脱プロセスまで、私が実習で得た注意すべき薬剤の基礎情報を共有したいと思います。

1. 妊婦に禁忌でない降圧剤

妊婦にも安全性が求められる急性期降圧管理では、使用可能な薬剤が限られます。以下の薬剤が代表的です。

  • ニフェジピン:妊娠20週以降に適用され、緊急時の降圧管理に用いる
  • メチルドパ:α2受容体刺激薬として、妊娠中でも比較的安全性が高い
  • ヒドララジン:血管拡張作用により、妊婦にも利用可能な薬剤

2. 肺動脈性肺高血圧症の治療薬

肺動脈性肺高血圧症に対しては、エンドセリン受容体拮抗薬が有効とされています。

  • ヴォリブリス錠(アンブリセンタン):肺動脈性肺高血圧症治療薬で、エンドセリン受容体を拮抗し、症状進行を遅らせます

3. 術後の悪心・嘔吐(PONV)予防

術後の悪心・嘔吐(PONV)は急性期病棟で頻繁に発生するため、予防・治療薬の選択が重要です。

  • ノバミン錠(プロクロルぺラジンマレイン酸塩):統合失調症に加え、術後の悪心・嘔吐の抑制にも適用
  • デキサメタゾン:ステロイド系薬で、PONV予防に効果的
  • プリンペラン(メトクロプラミド):ドパミン受容体を拮抗し、悪心・嘔吐を抑制
  • オンダンセトロン:5-HT3受容体拮抗薬で、PONVや化学療法後の悪心・嘔吐に対する効果がある

4. 急性大動脈解離の治療対応

急性大動脈解離は高齢者や高血圧患者で発症しやすく、特に上行大動脈に解離が発生するA型では手術が必須です。

  • A型(上行大動脈):人工血管置換術が行われ、緊急対応が求められる
  • B型(上行大動脈以外):手術ではなく、血圧管理が優先される

5. 人工呼吸器離脱プロセス

人工呼吸器の離脱に向けた準備には、自発覚醒・自発呼吸のトライアルが重要です。

  • 自発覚醒トライアル(SAT):鎮静を調整し、患者が自発的に覚醒するか確認する
  • 自発呼吸トライアル(SBT):患者の自発呼吸が可能か確認し、必要条件を満たせば抜管の検討に進む

急性期病棟における薬選定の要点

  • 妊婦・高齢者などの患者特性に合わせた選定
  • 医療チームでの情報共有と即応体制
  • EBMに基づく最新のガイドライン準拠

急性期病棟では、各薬剤の特性や患者の状態に応じた適切な対応が求められます。

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